BLOG

お稽古で質問が出来るようになる3つのポイント

突然ですが、お稽古中にこのような返答をしたことはないでしょうか?

『何が分からないか分かりません』

声に出さないまでも、心の中でポツリと呟いたことがある方、結構いらっしゃると思います。

因みに、こちらの(講師側)の問い掛けとしては、『何がご質問はございますか?』や、『何がご不明な点はございますか?』です。

お稽古では誰もが、特に入門者の時に一度は先生から言われたであろうこの言葉。

ダンス入門者にとっては質問出来るとても有難い言葉だと感じる一方で、こう思ったことはないでしょうか?

『そもそも、何が分からないか分からない』

私自身も経験がありますし、実際にお稽古場で生徒たちの”その状態”を幾度となく拝見して参りました。それはそうでしょう。今まで触れた事の無い分野を学ぶ場で”その状態”になることは至って普通のことです。きっと、その場では的確な質問も思い浮かばず、帰宅した頃になって『あ!これを質問して伺いたかった!』と思った経験もあるのでは無いでしょうか?

良いのですよ。質問だって一つのご縁なわけですから、縁があれば然るべきに然るべく必要な質問が口から出て来ます。

ただ、せっかくのお稽古、せっかくの学びの場、有意義なものにしていきたいですよね。

でしたら如何でしょう?是非とも改善したいと思いませんでしょうか?

では、この度はどうしたら『何が分からないのか分からない』という状態を回避できるのか?に焦点を当てて参ります。そして、その改善策について私なりにまとめて参ります。

✴︎はじめに✴︎

先ずそもそも、その『何が分からないのか分からない』という状況になってしまう主な原因は、その内容について”なんとなく”理解してしまっていることだと考えております。ダンススクールに入学したばかりの頃や、初めてのダンスジャンルでそうお感じになるのは仕方がない事かもしれないのですが、2、3年経っても同じように感じているのであれば、それはそのダンスのよく理解しきれていないということになるでしょう。

良くあることは、”なんとなく”わかったような気になって、自分の中の疑問を掘り下げるということをしていないから、質問も思いつかない…そうなってしまいますと、自身の欠点や癖、弱点に気づけていないので、なかなか状況が改善せず、いつまでたっても踊りが上達するに至らないという悪循環に陥ってしまいがちです。

つまりは、”なんとなく”という感覚こそが一番の敵なのだ♪ということ。

では、その”なんとなく”という感覚を減らし『何が分からないのか分からない』を改善する為には一体どうすれば良いのか、私が実践している改善方法を3つのポイントにまとめてみました。

ご興味がございましたら、是非お試し下さいませ。

ポイント① : 毎回レッスンでの小さな気づきを掘り下げる

“なんとなく”を減らし、理解を深める為には、毎回のお稽古での自分の感じ方や、行動、習得パターンなどを掘り下げることを習慣化する必要があるでしょう。その為にはどんな些細なことでも、日々の気になったこと、感じたことを掘り下げて考え、思い出す良い習慣をつけるとよいのではないでしょうか。

例えば私が良く考えるのは、『このムーブメントの軌道が気持ち良く好きだけど何故だろう?』とか『この振付のあの部分が楽しくて好きだけど、どうしてそう感じるのだろう?』という感じに、毎回のお稽古での至ってなんて事ないように感じることから、掘り下げて考える良い習慣をつけておくことでお稽古の中でも疑問点や気になった点を”なんとなく”という曖昧な感覚ではなく具体的に把握できるようになるでしょう。

ポイント②: 他人事ではなく、自分事として積極的に物事をとらえる

『ダンスのお稽古で”なんとなく”という感覚が抜けない』という生徒さん達はもしかしたら、その内容を自分事の問題として捉えられていないのかもしれません。『自分にはあまり関係ないな』『誰かが何か質問するだろう』という感覚は、物事の理解を深める大きな障害となる可能がございます。

一般的に、人は他人の問題にはさほど興味はない生き物と言われることがあります。ただ、人は自分にも関係する問題だと認識してはじめてめて、深く理解しようと行動する傾向がある為、”なんとなく”を減らすには、今までは、関係ないと他人事で考えてきていた物事(例えば他のレッスン生が注意と指導を受けている時等)も、自分にも関係のある自分事として捉えてみると良いのではないでしょうか。

ポイント③: 考え、思い、感情を言語化する

ダンサーは目に見えない音や空間を視覚化させ、歌詞やメロディーや世界観を踊りというツールで翻訳する仕事があります。ただ単に心や頭の中だけで、『考えていますよー』『感じていますよー』『本当は思っているんですよー』は、ダンサーとしては不十分なのではないでしょうか。私達ダンサーは”それら”を身体の外に出す事もまた必要な仕事なのです。出せない、出さないのならば、何も感じていないことと同じと見なしますでしょ?

ダンサーは全身全霊で踊って、舞踊講師は言葉も使えないと話にならないと私も学びました。どんなに頭で理解していても、いざ言葉にして説明しようとすると、上手く纏まらないという経験はないでしょうか?

やはりそれも頭の中で”なんとなく”理解した気になっていることが原因であるのです。
ですので、些細なことでも疑問に感じたことや、他の人に向けて説明しなくてはならないことは、ちょっとした内容でも、頭の中だけで纏めるのではなく、一度文章に書き起こしてみることも良い案でしょう。

上手く纏めることが叶えばそれで良いし、上手くいかない場合は、再度今までの自身の学び方を考え直す、お稽古場での習慣を客観視し見直すきっかけになります。それをコツコツと続けていくことで、段々と文章に書き起こさなくても、頭の中だけで上手く纏められるようになって参ります。

全ては習慣となるか、ならないかです。

初めは少し手間に感じるかもしれませんが、『何が分からないのか分からない』を改善する為には、考えの言語化を習慣づけることがが一番の近道だと言えるでしょう。そう、ダンサーは単に踊っているだでは無い!

✴︎最後に✴︎

そういう私も先に述べたように少々ビターな経験があるので、この様に改善策を考える所に至りました。”なんとなく”で考えてしまうという自分の弱点を自覚する前と、自覚したうえで本日のブログで述べた3つのポイントを実践する前とでは、その頻度が大きく減りました。また、あやふやで勿体無い時間が激減しました。慣れるまでに多少時間はかかるかも知れませんが、私自身は間違いなく改善につながっているのだと実感しております。

様々なダンスの身体の使い方や、ジャンル別の異なる文化や解釈、日々のダンスの学習方法とは異なり、ダンサー個人の感覚の話になってしまうお話ですが、過去の私と同じように『大好きで上達したいダンスなのに、先生に言葉で上手く質問できない』や、たまにいらっしゃる『ある程度上手く踊れるようにならないと疑問点に気づけない』とう悩みがある生徒さんは、本日のブログの3つのポイントを実践してみて欲しいと思います。

考え方ひとつで、『上手くいかないな』というモヤモヤが解消される場合があるということを共有できていれば嬉しいです。

そして、本当に本当に最後に…

良い質問が上手く出来る生徒は、良い意味でずっと講師の記憶に残ります。

ある程度年数を重ねて、的外れな『え?何がどこが質問なの?』という、語尾がフェードアウトしていくようなものは残念ですね。意味のある質問を致しましょう。

生徒本人にも、講師にも有意義な時間が持てれば最高です。

さあ!今すぐ興味が沸いたら実践してみて♪

本日も最後までご覧頂き有難うございました。

踊って世界を笑顔で照らそう♪

Emily Diamond

関連記事

PAGE TOP