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ダンスと皮膚感覚

本日は『皮膚ってすごい!』をテーマにしお話し致します。

皮膚の感覚と機能を知らずに踊るなんて…なんと勿体無い!という私の心の叫びを聞いて下さいませ。少し長めになります。いざ、麗しく覚悟♡


先日のプレパフォーマンスクラスにて、『皮膚感覚を研ぎしまして踊ろう』というテーマで踊ってみる練習を致しました。我々ダンサーは普段、筋肉や骨を意識して踊ることはありますが、この度意識を持ちたいのは皮膚です。面白いでしょう?マニアックで楽しく研究して参りましょう。

普段私達は、無意識の状態で行動し生活が出来ていると思いがちですが、私達の行動を司っているのは全身の感覚器官と脳との繫がりです。実は、私はこういう話が大好き。

我々の手足を動かしてくれているのは、感情を伴った意志と思われがちですが、実は各器官は脳と直接やり取りをして私達が自覚する以上に多くの情報が行き来しているそうです。

そんなことを理解し、体感しながら踊る…練習の中で感じてみるのも面白いですね!

そうそう…特に個人的は驚きで新たな発見だったのですが、直接外部と接触する我々の皮膚は第二の脳と言われいるらしいのです。つまり、皮膚は私達の外界と内界を隔てる為だけの単なる薄い皮ではないということ。

普段踊っている時、ハンドモーションの表現の一つとして肌に触れながら踊る演出も多い為、皮膚からの伝わる指令を改めて感じて踊ることも我々の表現の幅を広げてくれることでしょう。

私達の皮膚は、もともと脳と同じ所から分化しており、互いに沢山の共通の機能を持ち合わせております。皮膚と脳は常に互いにやり取りをしているのです。

その為、外部からの様々な情報は皮膚から直接脳に伝わりますので、実際に踊っている時に皮膚に触れる事で、いかに運動表現をしたら良いのかを脳から身体の運動機能に正確に指令が行き渡るようになっております。こんなにも脳へ指令が行き渡ると理解致しますと、我々の踊りの中での感情表現へも大きな変化が訪れると考えております。

Emily Diamond Japanでのダンススタイルでは、基本的にラテンのようなペアダンスはありませんが、時として群舞(グループダンス)を踊る時の仲間との肌と肌の触れ合いは、単に身体をくつけ合ったり、手を繋いだり、抱きしめ合ったりと形作るものだけでは無くて、互いに触れ合う面を通して仲間の心と身体を知る体験が叶います。

無理に力を入れて互いの触れ合いを保つのではなく、身体や手の触れた部分に強い圧力がかからない様に意識を向けて、常に触れている面がお互い自由に余裕を持って動けるように意識してみましょう。

皮膚を通した感覚は強い圧力をかけると神経が上手く働くことが出来ないので、お互いの感覚やサインが伝わり合わなくなることも知っておきましょう。

勿論、踊りの世界だけでなく、きっとあらゆるスポーツにおいても人や物との接触感覚が非常に重要でしょう。

一人で踊る場合も、群舞で踊る場合でも、自身が目標とする更に優れた舞台演出や感情と身体表現、一際輝くテクニックをする際は、決まって手(指先を含めた)と皮膚の触れ合いがとてもソフトであると感じます。また、それに伴い全身の大きな筋肉の連動を感じることが叶います。

例えば、Emily Diamond Japanの舞踊の一つであるボリウッドダンス踊る時、ジャンプをしたりタタカール(カタックのフットステップ)をした時、大きな重みや振動、ある程度の衝撃が掛かることを足の裏でキャッチすることでしょう。その瞬間、皮膚のセンサーが床の状態を感じ取り、いかに体重を掛けたら良いか、着地の時にいかにバランスをとれるか等を脳が正確に指令を出してくれます。なんと素晴らしいことでしょう!

踊っていて急激な体重の移行、ありますよね?

その急激な体重の以降や上体の重さによる圧力は、足の裏の皮膚のセンサーを麻痺させてしまうのです。

そう致しますと、あなたが到達したい『いかに踊ったら自由に楽しく踊れるか』の情報を脳に伝えられず、ただ力づくで演じるような荒っぽい勢いだけのダンスになってしまう原因になりかねません。うん…そうゆう身体の使い方をしている人いらっしゃる。パフォーマンスを見ていても、指導していても結構気になるのですよね。踊りの癖にも繋がるのよ。いやよね♡

そうなの。上達したいのに、思い通りの踊りが難しくなるだなんて、そんなのは嫌。

もしこのブログをご覧頂いている方がダンサーでなくとも是非意識して頂きたい。ダンサーの方はお得情報と思い今すぐ意識しちゃいましょう♪

え…意識?何を?

✴︎全身の運動機能を高めることを意識したい。

どうやって?

✴︎普段の生活において手や足の裏が、物や人に触れる部分の皮膚感を高める事は全身の運動機能を高める上でもとても大切。

具体的に何をしたら機能を高められるの?

①足の裏を刺激

裸足になって、床に置いたタオルを足の指でしっかりと掴みタオルを持ち上げる。ポイントは、しっかりと足でタオルを手繰り寄せること!

私も小学生の時、剥離骨折後のリハビリでやりました。触覚において、足裏を刺激することは重要な要素です。尚且つ、ダンサーには足指を使うことで立った時に床と足裏の設置面積が多いことが大切と感じるでしょう。エクササイズにタオルをつかむ動きを入れることで、より皮膚感覚が刺激されます。あまり舞台では出会わない場面ですが、屋外の芝生や砂浜で踊るベリネシアンダンス®︎(タヒチアンダンスは勿論)デコボコな傾斜の対応や、ボリウッドダンスのように時に踏ん張って力を出す基本ムーブメントの強化にも効果的!


②手首をひねる

胸の前で軽く肘を張り、両手でタオルを握って(またはイメージでも可)手首を左右順番にリズミカルに動かす。タオルを絞るイメージをもってしっかりとひねりましょう♪因みに、手首には力を加えず軽く、指先のみ若干力を入れます。ひねりながら、鼻歌を歌えるくらいがベスト。

嬉しい皮膚感覚の刺激を兼ね備えた適度な握力に加え、手首のひねりを取り入れたこちらの簡単なエクササイズは繊細な触覚や、ベリーダンスなどの官能的で妖艶な表現をする為の大切な要素が詰まっています。手先の器用さにも繋がる為、ボリウッドの細かな指先表現には是非欲しい♡ですよね?


如何でしょう?

日常で出来る簡単なことから運動機能を高め、触感を研ぎ澄ませ、皮膚感覚を刺激していくことが出来ます。これらは、ダンサーとしてボディイメージの形成を司り、空間イメージや身体的メモライゼーション、ダンサーとして必要な意思決定などにも関係する大切なことばかり。

これこそ、見た目では決して解らない誰もが持っている素晴らしい能力と言えます。

ダンスが楽しく、自身が思うように、そして、『ここではないどこか』とコネクトしている感覚で身体を超えた存在のまま踊れるダンサーは、この皮膚感覚にも優れている事が多いと感じます。この素晴らしい感覚にコンタクトした途端、不思議と身体が吸い込まれて行くように感じる事もあるでしょう。皮膚感覚が強くなり研ぎ澄まされていくと、自身の肌に触れているだけで自身の外の姿(パフォーマンスしている姿)が内側の目で脳内に投影して見ている様に感じられるようになります。これは本当に素晴らしい能力であり、非常に便利なツール!

この機能感覚は、群舞でも互いの皮膚の触れ合いを通して仲間との心と身体を感じるだけでなく、自分が如何にその場で必要な対応ができるか、どのような立ち位置で役を演じ踊れば良いか反射的に動けるようになります。良いことがいっぱい…!


長くなりましたが、最後に。

そう。私は自身の身体を踊りながら大切に繊細に触れることが大好きです。触れている時、それは特別な気持ちになるだけでなく、身体という完全なる美しい器を愛しむ時が叶う私のセラピータイムです。

舞台上で深い呼吸を表現したければ、呼吸の流れがどのように神経を緩めてくれるか、皮膚を通して外側から視覚的にも流してしまえば良い。

身体の特定のパーツが緊張するならば、ただシンプルにそこを触れて撫でて安心を与えれば良い。

お風呂上がりにボディオイルを塗る時、服を着る時、服を脱ぐ時、鳥肌がたち思わず腕を抱きしめるとき、髪をとかすとき、メイクをほどこす時でさえもアートを感じていたいのです。

単に、皮膚感覚を高める為だけでなく、パフォーマンスに活かす為だけでなく、何より大切だと想うことは『私の身体を愛しむ』ことでしょう。触れて、撫でて、抱きしめてあげて下さいね。生まれてから最後の日まで、私の人生を共に謳歌してくれる、唯一無二の聖なる神殿『身体』ですもの。

直感的に『良い!美しいわ!』と思う方は、是非とも実践してみて欲しいです。

本日も最後までご覧頂き有難うございました。

踊って世界を笑顔で照らそう♪

Emily Diamond

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